「EOS Kiss Digital N」本体について
◇良い点 ・画素数&画質の向上 なんといっても800万画素。CMOSセンサー(撮像素子)は20Dと共通ではなく、KissデジタルN用に新たに開発されたモノを搭載。 もちろん微妙な違いはあるだろうが、“特殊な使い方”をしない限り820万画素機の「EOS 20D」とほぼ同じ画質と言ってもいいだろう。 ・本体の小型・軽量化 内部回路の見直しやシャッターユニットの小型化などにより、初代Kissデジタルに比べて本体が1まわり小さくなった。色々なところで言われているように、手に取ってみると見た目以上に小さいと感じられる。上の写真でレンズが大きく見えるが、それはズバリ本体が小さくなったからであり、大きめのレンズを装着しているわけではない。 ただし、手が大きい人には本体が小さすぎて、グリップを握った時に小指がはみ出てしまうこともある。そこは“女性を対象に設計した”と割り切るしかないかもしれないが、オプションのバッテリーグリップを装着するのも一つの手だろう。幸いにも筆者は手がやや小さいため、小指がはみ出るということはなかった(笑 それでも大きさの面ではペンタックスの「*ist-Ds」には勝てなかったが、重量の面では485gと「最軽量」の称号を勝ち取った。ただし、レンズによってはレンズの方が重くてホールドしにくいということにもなってしまう。それには“慣れる”しかないだろう。 また、外装材は初代Kissデジタルと同じでありながら、「N」では表面をザラザラにする加工が施されている。さすがに20Dには勝てないものの、それでも十分高級感のあるボディに仕上がった。 ・起動が早い なんと、スイッチを入れてから0.2秒ほどで撮影可能に。前モデルではスイッチを入れてから2秒ほど待たされたため、シャッターチャンスを逃したという方も少なくはないはずだ。もっとも、初代Kissデジタルの兄貴分である「EOS 10D」でもスイッチを入れてから同じくらい待たされたため、その点ではある意味では避けられない道だったのかもしれない。 ・AFやオートホワイトバランスの精度の向上 AFについては20〜30枚に2枚くらい“ピンぼけ写真”があるため100%とは言えないが、十分精度が良いと言っていいだろう。 ホワイトバランスは今のところオートホワイトバランス(AWB)で固定だが、“屋外で青っぽい写真になる”などといった極端な狂いは見られない。むしろ、手でホワイトバランスを設定するよりもAWBで撮った方が自然に見える。それだけ精度が良いという事だ。ぜひ、次モデルもこの調子でいってほしい。 ・シャッター音がイイ これは個人の好みの問題だろうが、やっぱりあの「カシャ ウィーン」というシャッター音がカッコイイし、撮っていて気持ちが良い。前モデルでは「パコッ」という安っぽい音だっただけに、こういう面でも良くなった点は高く評価したい。 最近の一眼レフデジカメだと、他にコニカミノルタの「α-7 DIGITAL」やオリンパスの「E-1」&「E-300」も同様にシャッター音がカッコイイと評判がよい。 |
◇気になった点 ・設定変更時に・・・ 4方向キーを押すことでISO感度・AFモード・ホワイトバランス・測光モードを変更できるのだが、それらのキーを押すと「液晶モニター」に設定画面が表示されることに少々とまどった。要は慣れの問題だろうし使っているうちに慣れてきたが、20Dでは「液晶パネル」を見ながらダイアルを回して設定変更するため、少々違和感があった。もちろんこれは“改善すべき点”ではないが、気になった点ではある。 もちろん、本体の「MENU」ボタンで設定画面を呼び出して設定変更することもできるため、その点ではむしろ分かりやすいかもしれない。 ・液晶が見づらい これはKissデジタルNに限ったことではないが、屋外だと液晶が見づらい。明るさを上げれば多少は何とかなるが、それでも不十分なところもある。最近の一部のコンパクトデジカメでは屋外でも見やすい液晶を使用しているのもあるため、是非とも次モデルでは“屋外でも見やすい液晶”を採用してほしい。 また、ピントが合ってるかどうか確認するために拡大しても、(本当はピントが合ってるのに)ピンぼけしているように見えてしまうことがある。もちろん「記録画質」や拡大率とか画素数の問題もあるだろうが、PowerShot S45ではこういったことがなかっただけに、ちょっと気になった。 |